数あるお宝ゲームソフトの中でも、ファミコンのゴールドカートリッジはコレクター・マニア人気がダントツで破格のプレミアが付いているものばかりです。
全てが非売品で数量限定なので、市場に出れば常にレトロゲーム愛好家による激しい争奪戦が繰り広げられています。
でも有名すぎるが故、偽物も非常に多く出回っていますので、購入時には注意が必要です。
キン肉マン マッスルタッグマッチ ゴールドカートリッジ
1985年11月8日にバンダイから発売されたファミコンソフト「キン肉マン マッスルタッグマッチ」の限定版で、取引価格が100万円を超えることもある有名な超プレミアソフトです。
マッスルタッグマッチ販売当時、ハイスコア画面を写真に撮って送る「宇宙一ゲーム超人コンテスト」というキャンペーンが開催されました。
8つの地域で開催され、それぞれの地域で一番得点の高い人がチャンピオンに選ばれました。
チャンピオンには、好きな超人を一人追加(実際は、同等の性能の既存キャラとの差し替え)出来る権利が与えられ、既存のキャラクターを1名消して新たに1名追加されたゴールデンタッグカートリッジが贈られました。
つまり、ゴールドヴァージョンはこの世に8本しか存在しない幻のレアカセットなんです!
しかも、差し替えられたキャラがそれぞれ異なるので、8本全て内容が違うということになります。
ということは実質、世界で1本しか存在しないことになるので希少価値は計り知れません。
その為、ファミコン史上最も有名な究極の高額プレミアソフトとして伝説化しています。
現在確認されている追加超人ヴァージョン
現在判明している入れ替えパターンは以下の5種類ですが、「ブラックホール」に関しては、2種類ある説と、ひとつは贋作説があるようです。
差し替えキャラパターン
- アシュラマン → ペンタゴン
(落札価格:100万100円) - ブロッケンJr → ザ・ニンジャ
(落札価格:92万1000円) - ラーメンマン → モンゴルマン
(落札価格:85万1000円) - バッファローマン → ブラックホール
(落札価格:75万円) - テリーマン → ブラックホール
(落札価格:60万円)
ごまメモ
「ネプチューンマン」と「キン肉マングレート」のヴァージョンがオークションに出品されたこともありますが、地域や経緯から偽物と疑う声もあって、真相は不明です。
ちなみに、日本国外版(海外の通常版)では、「ブロッケンJr」が「ジェロニモ」に差し替えられています。
2021.7 追記メルカリに8本の内の1本が出品!! 幻の5人目のキャラはまさかの・・・(笑)?!
2021年5月、当ブログの読者様からこんなメールを頂きました。
メール
「キン肉マンゴールドカートリッジ本物をメルカリに出品された方がいらっしゃいます。8本のうちのひとつです。持ち主曰く、初めて公に出したということです!」
「その選んだキャラというのがまさかの、、、笑」
本物出品の驚きと、まさかキャラが気になり、すぐに教えて頂いたメルカリのページを確認!!
すると、かなり信憑性の高い画像とコメントのやり取り、そしてまさかの内容が掲載されていました。
ちなみに販売価格は¥950,000 !!
売れた直後だったので、ギリギリ詳細を見ることが出来ましたが、教えて頂けなかったら全然気付けないままページが削除されてしまっていたところでした。
何のキャラ?! 本物?! 出品の経緯は?! メルカリでのやり取りや出品者様のtwitterから詳細を検証してみようと思います。
幻の5人目のキャラは、なんと ”ビーバップハイスクール”の「加藤ヒロシ」!!
ホントにまさかのキャラです(笑)
商品説明欄によると、「本人がルールを理解しておらず、ビーバップハイスクールの加藤ヒロシを描いて送ってしまったそうです。それがそのまま採用されてしまいキン肉マンが削除されヒロシになっています。」とのことです。
コメント欄では更に詳細な経緯が説明されていて、最初はキン肉マンの超人しか差替え出来ないとバンダイに言われたそうですが、製作に時間が無いとのことで ”あなたのオリジナル超人” ということで通ったそうです。
キン肉マンのキャラじゃないだけでも凄いけど、キン肉マンは集英社、ビーバップハイスクールは講談社という出版社の垣根を越えて神対応をしてくれたバンダイもスゴイですね!
出品者は関西地区1位の本人
コメント欄での入手経路の質問に対し、出品者の方は「関西地区1位の本人です」と答えています。
ご本人は体調不良の為、主にメルカリやtwitterでやり取りをしていたのは娘さんだそうです。(その為、所々当事者では無い言い回しになっています)
ちなみに関西地区は一番レベルが低かったらしく431ラウンドで1位でしたが、全国1位は2200ラウンドだったそうで、出品者の方はある意味ラッキーだったとおっしゃってます。
最終価格は95万円! 今になって出品した経緯は??
メルカリでの販売価格は95万でした。
出品者の方はメルカリに慣れておらずシステムを良く分かっていなかったようで、twitterを使ってオークション形式で価格を設定していたみたいですが、後から規約を読んでなかったと謝罪されています。
出品の経緯に関しては、ご本人の体調不安と、一度も話題にすら上がった事の無いジレンマみたいな感じだそうで、ご本人は一生持っていようか迷っていたそうですが、娘さんと相談した結果出品することにしたそうです。
キン肉マンゴールドカートリッジ「加藤ヒロシ」ヴァージョンは本物か?!
キン肉マンマッスルタッグマッチのゴールドカートリッジは偽物も多く出回っており、登場する度に本物か偽物かの論争が繰り広げられています。
今回も本物かどうか話題になっているこのソフト、ごまの勝手な見解ですが、twitterやメルカリのコメント欄と画像を見る限りではおそらく本物ではないかと思います。
そう感じた理由を何点かまとめてみます。
メルカリのコメント欄のやり取り
高額取引の為、メルカリのコメント欄ではかなり踏み込んだ質問や要望が多数されていました。
どの質問にもかなり自然に詳細にお答えしているのと、さり気なく本人じゃないと分からないエピソードなども織り込まれており、一切不自然さが感じられませんでした。
また、あらゆる画像提供の要望にも丁寧にしっかり対応されていました。
本物の証明! 認定証(シルバーカード)&攻略本 付き
キン肉マンゴールドカートリッジの本物の手掛かりは、シルバーカードと呼ばれる認定証やバンダイからの郵便封筒が目安になっています。
郵便封筒は残っていなかったそうですが、シルバーカードはちゃんとご本人の名前入りで残っていてラウンド数や地区も合っています。
更に、攻略本の中身に全国大会地区1位の8人みんなのコメントが書いてあるそうで、認定証と攻略本を一緒に付けることで落札者の方に絶対本物だと解る様に安心して貰いたいとのことでした。
ヒロシver.の偽物を作る必要は無い
もし贋作を作るとしたら、恐らくキン肉マンのキャラで作るでしょうし、キン肉マン以外のキャラだとしてもまさかビーバップのヒロシは選ばないと思うんですよね。
未公開だった4人(3人?)のキャラで加藤ヒロシを予想した人はまずいないのではないでしょうか。
当時子供だった出品者様が純粋に選んだキャラが、当時流行っていたビーバップのヒロシだったというのもリアルで微笑ましいと思います。
証拠画像&証拠動画
カセット自体の画像はもちろん、シルバーカードや箱、落札希望者の要望に応えてカセットスロット部や景品としてプレゼントされた冊子などの画像もアップされていました。
更にtwitterではヒロシヴァージョンのプレイ動画も公開されていました。
という訳で、ごまはこのゴールドカートリッジは本物なのではないのかと思うのですが、当然ながら確実な保証はありません。
ただ、上記の理由から本物じゃないかな~…本物だといいな~…という感覚でお伝えしていますのでご了承下さい。
今回の販売価格の95万円は、キャラの珍しさや本物の信憑性の観点から見るとかなりお買い得だったのではないかとも思います。
最近はレトロゲーム市場が盛り上がっていますし、フリマタイプのメルカリではなく正式なオークションで出品してたら、もしかしたら過去最高の数百万まで値上がりしていたかもしれませんよね。
緑ヴァージョン 集英社児童文庫お楽しみプレゼント版
集英社が出版していた児童向け書籍キャンペーン用の景品として配布されました。
内容は市販品の通常版と同一ですが、緑色のカセットで専用のラベルが貼られていて、外箱も一部デザインが異なっています。
正式な配布本数は不明ですが、カートリッジのみなら非売品の割には比較的入手しやすいようです。
ただ、箱・説明書付きの完品となると、桁が1つ増えるほどの価格に跳ね上がります。
ロックマン4 ゴールドカートリッジ
ロックマン4のボスキャラ募集で採用された8名のみに贈られた「金メッキ」を施された、世界に8本しか存在しない非売品のロックマン4です。
キン肉マンのゴールドカートリッジと並んで、超お宝プレミアファミコンカセットのトップに君臨し続けています。
中身のゲーム内容は市販品と同じです。
その為、オレンジ色の通常版に金メッキを塗った偽物も多く出回っています。
2014年8月12日に放送された『なんでも鑑定団』で、「ブライトマン」の当選者である榎本よしたか氏がこのゴールドカートリッジを鑑定に出し、40万円の値が付きました。
ごまメモ
当選者にはソフト以外に、当選通知書とオリジナルのタオルと冊子が送られたそうなので、本物の判断材料として有効です。
本物は挿入口付近は塗装されずに元の色のままだそうです。
オバケのQ太郎 ワンワンパニック ゴールドカートリッジ
当時、オバケのQ太郎ワンワンパニックをどこまで遊べるかを競う「パニックコンテスト」が開催され、大会上位入賞者100名のみにゴールドカートリッジ版が贈られました。
ゲーム内容に変更はありませんが、カートリッジと同じく、ゲーム内に登場するQ太郎が金色仕様になっています。
取引価格は10万円以上です。
ごまメモ
2016年4月発売のゲーム雑誌によると、「スーパーポテト秋葉原店」で非売品として展示されているそうです。
バイナリィランド 祝御結婚ヴァージョン
「バイナリィランド」はハドソンから1985年に発売されたファミコン用ソフトで 、通常版はピンク色のカートリッジですが、「バイナリィランド 祝御結婚ヴァージョン」は金色にメッキされたゴールドカートリッジで、外箱に”祝御結婚”と書かれたシールが貼られています。
この「祝御結婚ヴァージョン」は様々な説が錯綜し、長年に渡り多くのコレクターやマニアが二転三転する情報に踊らされている、未だ100%本物の現物が未確認の幻のソフトです。
「バイナリィランド 祝御結婚ヴァージョン」 登場から現在までの情報の流れ
バイナリィランドのゴールドカートリッジが出てくる少し前まで、レトロゲーム界では、ファミコンの非売品ソフトの情報は全て出尽くしたと思われていました。
オークションに出品されはじめて世間に知られる
ヤフーオークションに限定版の「バイナリィランド 祝御結婚 ゴールドカートリッジ」が出品され、初めて存在が知られることになりました。
突然現れた未情報の非売品ソフトは、コレクターによる争奪戦が行われ、落札価格数十万円という値が付きました。
ごまメモ
この時の出品者からの情報は、入手先はフリーマーケットで所持本数は2本、中身は市販品と同じという内容でした。
テレビ番組「お試しかっ!」では、全ファミコンソフト中で第3位のプレミア度にランクされ、39万8000円の値が付き、お宝非売品ソフトとしての認知度が広がり定着していきます。
また、ソフト自体の認知度が高まるとともに、このソフトは、当時ハドソンのプログラマーで恋愛中だったKIKU氏とMEGU氏が結婚式を挙げた時に、出席者のみに配布された引き出物であるという説が有力になっていきます。
ごまメモ
限定版のみ、タイトル画面にて両方のコントローラーのAとBを押しながらリセットすると「KIKU MEGU LOVE STORY!」の隠しメッセージが出る・・・という噂もありましたが、この裏技は市販品でも使える裏技なのでガセネタです。
実は贋作で祝御結婚ヴァージョン自体が存在しない説が浮上する
当時の情報では、ゲーム内容は市販品の通常版と同じだった為、簡単に偽物が作れるのではないかという疑惑が生まれはじめます。(実際に大量の贋作のゴールドカートリッジが横行していました)
この時点では、偽物が大量に出回っているので要注意!といった感じで、本物の存在が否定されたわけではありませんでした。
高橋名人も、旧ブログでこのゴールドカートリッジについて「200本位、存在する」との見解を出していた為、本物は存在するという確証が高まり、焦点は「本物と偽物の見分け方について」がメインでした。
しかし、2013年の10月頃に高橋名人の弟子である桜田名人が、「そもそもKIKU&MEGUさんは結婚していない」とツイッターでつぶやいたことで、定説化していた「KIKU氏とMEGU氏の結婚式の為に作られた物」説が崩壊し、レトロゲーム界に衝撃が走り大きな話題となりました。
さらに、流通している限定版の外箱に貼られている”祝・御結婚”のシールを比較検証したところ一貫性が無いことも指摘していて、一気に「バイナリィランドの祝御結婚ヴァージョンはソフト自体が存在しない。出回っているソフトは全て偽物では?!」という流れに傾いていきます。
桜田名人による最終的な調査結果
ヤフオクにはじめて登場してから、発見 → 偽物疑惑 → やっぱり本物存在する → やっぱり全部偽物、という前代未聞の展開が繰り広げられていた「バイナリィランド 祝御結婚ヴァージョン」ですが、その後もずっと調査を続けていた桜田名人により、おおまかな真相が明らかになってきました。
桜田名人のツイッターによると、「バイナリィランド 祝御結婚ヴァージョン」の本物は、ほぼ確実に存在するとのことです。
また、結婚式用に作られたことは間違いないが、KIKU氏とMEGU氏の結婚式ではなく、別のハドソン社員の結婚式用に作られたもので、結婚式の出席者と制作関係者のみが所持しており、流通量は数十本程度だそうです。
1986年以降にハドソン社員の有志が制作したもので、任天堂によって生産され、限定版は主人公のキャラが差し替えられているそうです。
ただ、贋作による被害防止の為、桜田名人は差し替えキャラの詳細については公表していません。
ごまメモ
限定版のソフトが制作された時、既にKIKU氏は退社していてソースコードを変更するのが困難だった為、キャラクターだけが差し替えられました。
というわけで、キャラが差し替えられていないゴールドカートリッジは全て偽物ということになります。
最終的にここまで詳細が明確になったので、はやく本物の現物が確認されるといいですね。
ドラゴンボール ゴールドカートリッジ
ドラゴンボールのファミコンゴールドカセットは2種類あります。
レアゲームコレクターのみならず、ドラゴンボールファンからも人気があるアイテムの為、どちらも入手困難となっています。
ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人 ゴールドカートリッジ
バンダイより、「ドラゴンボールZ90’」を大量に売ってくれた販売店や卸業者にプレゼントされた非売品ソフトです。
ゲーム内容は市販品の通常版と同じですが、外箱に”メモリアルバージョン”のシールが貼ってあります。
ドラゴンボールZ2 激神フリーザ ゴールドカートリッジ
1991年に開催された「Vジャンプフェスティバル」の抽選会において当選者のみにプレゼントされました。
付属品に、ビニール袋・缶バッチ・ジャンボカードなどがあります。
まとめ
さすが数十万円単位で取引されているプレミアソフトだけあって、調べれば調べる程、手の届かない存在であることを思い知らされました。
仮にタイムスリップして、最初から狙ってGETしようと思っても簡単に手に入れられるレベルではないので、今から手に入れるのはほぼ不可能なのはしょうがないですね。