三大巨匠のひとり、水木しげるの『猫又』です。
主にガロで活躍していた時期の作品を収録した短編集で、傑作集と銘打たれているだけあって名作揃いの逸品となっております。
実はこのタイトル、初版と改訂版で収録作品が微妙に違うんです。
収録内容と、内容以外の初版と改訂版の違いも比較してみました。
猫又 初版と改訂版の比較
初版の発行日は昭和41年12月10日です。
今回比較した改訂版は昭和58年5月20日に発行された6版です。
収録内容の違い
初版では『猫又』の次に『太郎稲荷』が収録されていましたが、改訂版ではイソップ漫画の『トランク』(2ページの超短編)と、『河童をみた、ある少年の話』が収録されています。
共通の作品
- 猫又
- 神変方丈記
- 宇宙虫
- テレビくん
- 未来をのぞく男
- 昭和百四十一年
- すりかえられた肉体
- となりの人
- 古道具屋の怪
- こどもの国
- くさった国
- カモイ伝
初版のみに収録されている作品
- 太郎稲荷
改訂版のみに収録されている作品
- トランク(イソップ漫画)
- 河童をみた、ある少年の話
ごまメモ
ちなみに、猫又に収録されている『テレビくん』は初めて「少年マガジン」に書いたもので、これがマンガ賞をもらって水木しげる”開運”(それまでは幸運にみはなされていた)の記念すべき作品になったそうです。
巻頭の「思うこと」より
装丁の違い
装丁に関しては、初版の方に初期のサンコミの特徴が揃っていて分かりやすいです。
(『猫又』に限ったことでは無いのですが・・・)
左が初版で右が改訂版です。
表紙
表紙はほとんど変わりません。
しいて言えば左の余白の広さと、全体の色合いがビミョ~に違うかな?位です。
背表紙
背表紙に関しては、初版の方が下の「サンコミックス」の部分が英字表記になっています。
初期のサンコミの特徴のひとつです。
作者名の色と行間も違います。
なぜか厚さも結構違います。スピンのせい?
裏表紙&そで
裏表紙は、初版はロゴと価格と通し番号のみで、改訂版になると目次やISBNコードなどが追加されています。
よく見ると「SUN comics」の書体も微妙に違います。
そでは、初版は作品紹介文で、改訂版は出版情報になっています。
水木先生・・・若いですね!
スピンとカラー口絵
これぞ初期サンコミ!!
といわんばかりの特徴がこの2つ。
スピンといわれる「紐しおり」と、巻頭の「カラーの口絵」です。
初版のみに付いています。
猫又に限らず、同じタイトルでも初期刊行分にしか付いていないので、プレミア対象です。
詳しくはこちら
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サンコミックス【朝日ソノラマより刊行のサンコミのリストと詳細】
サンコミックスの詳細 朝日ソノラマより刊行され、平成元年まで新刊が出ていました。 虫コミと並んでコレクター人気の高いブランドです。 水木しげる、石森章太郎、永井 ...
猫又の帯は特に希少価値が高い
帯が重要視されているサンコミの中でも、特にレアで貴重な帯が『猫又』の帯です。
帯だけでも売買の対象になるんですが、猫又の帯に関しては、なんと本体よりも高い値段が付くこともあるそうです。
しかも数万円単位で!!
まとめ
興味の無い方にとっては「だから?」で終わるどうでもいいことを一生懸命まとめてみました(笑)。
関心を持って下さる方がいてくれれば幸いです。
最後にカバーそでの言葉を借りて単行本『猫又』をおススメ。
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