魔夜峰央の『翔んで埼玉』です。
こちらは復刻版の初期ヴァージョン、初版です。
この作品が発表されたのは30年以上前なんですが、「月曜から夜ふかし」などのテレビ番組で紹介されて以来、その強烈な埼玉ディスがSNSで話題になりました。
当初、内容的に復刊は不可能と思われていましたが、宝島社が権利を買い取り晴れて復刊。
復刊されるや否や埼玉県で爆売れし、全売上の約3割は埼玉県が占めているそうです。
今や映画化もされ、まさかの大ヒット爆進中です。
生粋の埼玉県民であるごまとしては、無視できない状況となっております。
やおい君の日常的でない生活【漫画『翔んで埼玉』初収録本】
『翔んで埼玉』が初めて発表されたのは、「花とゆめ」1982年の冬の別冊号でした。
続いてPART2とPART3が、「花とゆめ」1983年の春の別冊・夏の別冊にそれぞれ掲載されました。
その後、1986年に刊行された『やおい君の日常的でない生活』という単行本にPART1~3が未完のまま収録されました。
ごまとしては、性分的にどうしてもオリジナルも手に入れないと気が済まない・・・。
というわけで、初収録本もGETしちゃいました。
復刻版は結構修正かかってるのかなぁと思っていましたが、意外とそのままでした。
オリジナルの方は、PART1と2の扉絵がカラーで収録されています。
復刻版の後半には、『やおい君の日常的でない生活』に収録されていた他の2作品(『やおい君の日常的でない生活』『時の流れに』)も収録されています。
『翔んで埼玉』が未完の理由
続きが気になる展開で終わってしまっている『翔んで埼玉』。
なぜ未完になってしまったのでしょうか?
その理由は、単行本のあとがきで作者の魔夜先生自身が語っています。
連載開始当時、魔夜先生は埼玉県の所沢に住んでいたそうです。
それで、自分の住んでいる場所なら多少おちょくってもシャレになると思っていたそうですが、連載中に横浜に引っ越すことになってしまい、横浜に住みながら埼玉の悪口を描いたら本当に悪意があるととられかねないと判断したとのこと。
所沢に住んでいた頃は、近くに編集長と編集部長がお住まいになっていたそうで、様々なプレッシャーから、あのような内容の『翔んで埼玉』が生まれたそうです。
ごまメモ
ちなみに、作品中で埼玉よりも茨城をディスっているシーンがありますが、こちらは、奥様の地元が茨城なので身内のことなら少しくらいディスっても平気だろうと思って描いたら、奥様の親戚からは大クレームがきちゃったんだって。
翔んで埼玉の春日部ネタ
埼玉からさらに地元ネタになりますが、ごまの生息地である春日部ネタもチラホラあり笑いました。
ごまメモ
映画の主題歌を歌っている「はなわ」も、実は春日部市出身です。
翔んで埼玉 映画【異例続きのまさかの大ヒット!!】
今年(2019年)の2月22日に、二階堂ふみとGACKTのW主演による実写版の映画が公開されました。
そしてなんと、ハリウッドの「アリータ」を抑えてまさかの1位スタート!!
しかも都道府県別興収シェアでは、東京を抜いて埼玉県が全国1位だそうで、通常じゃ考えられないことだと関係者は驚いているそうです。
他にも色々と異例続きのようで、おもしろいのでまとめてみました。
異例その1 埼玉県で驚異的な数字記録
今までの埼玉県の興収で、東映配給の実写映画のこれまでの記録を保持していたのは2005年公開の『男たりの大和/YAMATO』でしたが、これに対し、公開3日間対比414.35%という驚異的な数字をたたき出しました。
異例その2 興収 東京を抑えて1位
2月22日の初日から3日間の動員は24万8000人、興行収入は3億3100万円でした。
そして、都道府県興行収入では埼玉県は東京都を抑え1位だったそうです。
(普通じゃないことらしいです)
劇場別でも、地元の「MOVIXさいたま」(さいたま市大宮区)が全国1位を獲得しました。
異例その3 2週目 初週を超える異例の伸び
第2週の週末の興行収入は前週比108・3%、動員数は107・2%でした。
普通は、初週から数字は下がっていくものなので、公開初週の成績を上回ることは滅多になく珍しいことです。
直近だと、初週越えをした作品はクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」で、それに匹敵した数字だそうで、クイーン級と言われています。
異例その4 埼玉県民大喜び
こちらは記録的なことではありませんが、普通ならここまで地元がディスられていれば怒る人が出てきてもおかしくないのに、当の埼玉県民が怒るどころか大喜びしているこの状況もある意味異例です(笑)。
むしろ地元では、大歓迎ムードです。
映画終了後には拍手と歓声が起こる会場も多いそうです。
埼玉県の良い所
ガツガツと熱過ぎることも無く、都会人のように冷たいわけでも無い。
なんと言うか適温なんですよ。埼玉県は、色々と。
さくっと都会まで行けるのに都会のように騒がしくないし、名物や名所は無いけど必要な物はとりあえず揃ってるしね。
ちなみに、『翔んで埼玉』の復刻版が2016年の1月に30万部を突破した際、ヒット記念として宝島社は、無謀にも埼玉県各市の市長にコメントを依頼しています(笑)。
そして、なんと「所沢市」「行田市」「飯能市」の市長より、まさかの激励コメントが寄せられました!
市長のみならず、埼玉県知事も「悪名は無名に勝る」と肯定的なコメントを出しているほどです。
どうでもいいようなふりして、なんだかんだ埼玉県民は埼玉が大好き!
前代未聞の埼玉フィーバーにより、みんな普段は表に出さない埼玉愛を解放している感じですね。