冬野さほの『"hello,hello"』です。
冬野さほ作品の中では一番入手困難で、探している人に対しての絶対数が少ないレアタイトルです。
『うそつきサマー』も同じくレアですが、『"hello,hello"』の方がちょっとだけ人気が高い感じです。
冬野さほとは
1988年に「別冊マーガレット」にて『Pure Christmas』でデビューしました。
マーガレットコミックスは3冊刊行されています。
入手困難でプレミア価格の『うそつきサマー』と『"hello,hello"』に比べて、『ポケットの中の君』は現在でも比較的簡単に購入可能です。
現在は主にイラストレーターとして活躍されています。
ちなみに、読み方は「とうの さほ」です。
「ふゆの さほ」ではありません。
無知な店員さんがいる書店だと稀に「は行」の作家の棚に並べられていたりしているので要注意です。
冬野さほの結婚相手は松本大洋
冬野先生の旦那様は、『ピンポン』や『鉄コン筋クリート』で有名な松本大洋です。
旦那さんの作品のアシスタントもつとめているそうです。
スピッツの『おるたな』とコラボ
2012年に発売されたスピッツのスペシャルアルバム『おるたな』の、ジャケットと歌詞カード内のイラストを手掛けています。
実はこれ以前にも雑誌の「音楽と人」1999年5月号でもスピッツとコラボをしていて、写真をコラージュしたりイラストを描いたりています。
冬野さほの作風の流れ
初期の『うそつきサマー』の頃は、ごく普通の一般的な少女漫画を描いていましたが、後に実験的ともいえる独特なコマ割りや前衛的な描写を開拓し、他の作家とは一線を画した作品を創り上げています。
特に『"hello,hello"』は、現在のイラスト系冬野テイストと初期のスタンダード少女漫画の作風の移行時期の作品で、2つの特徴が上手く混ざり合って奥深い魅力を醸し出している秀作といえます。
『ポケットの中の君』では、独自のスタイリッシュな絵柄が完成し、映画的描写や現在の作風でもある絵本的要素が色濃く表れています。
『ツインクル』からは漫画としてのストーリーの一貫性は崩れて、完全に独自の世界に向かっています。
冬野さほ 刊行作品一覧
- うそつきサマー
マーガレットレインボーコミックス/1990年12月1日 初版
(創美社発行・集英社発売) - "hello,hello"
マーガレットレインボーコミックス/1991年12月1日 初版
(創美社発行・集英社発売) - ポケットの中の君
マーガレットコミックス/1993年12月16日 初版 - ツインクル
マガジンハウス/1997年4月24日 初版 - まよなか
ブルース・インターアクションズ/2007年3月10日 初版