一般的は絶版漫画は新書判やB6判の単行本が多いですが、コレクションを極めようとする過程で必ず経験する問題があります。
読みたい作品や集めている作家の一部のタイトルが単行本化されてない!
そのような場合は掲載された雑誌なり、付録なりを手に入れるしかないんですね。
という訳で、前回は絶版漫画のランクについてまとめてみましたが、今回は単行本以外の絶版漫画のジャンルについてまとめてみようと思います。
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貸本漫画
1940年代末から1960年代初頭まで、お金を払って漫画を借りて読む「貸本屋」というものが全国各地にたくさんあり、貸本屋向けに刊行された単行本は「貸本誌」と呼ばれていました。
『影』『街』『魔像』など
部数は人気のあったものでもせいぜい数千冊で、白土三平や水木しげる、さいとうたかおなど、後に雑誌で成功する人達が、 一般書店向けでは書けないような新しいマンガを描いていました。
貸本向けの漫画は大勢の人によって読まれたものなので、状態の良いものはほとんど無い為、 多少状態が悪くても値段は高く、同じタイトルでも「非貸本」となると、さらに値段は上がります。
また、当時の貸本の評価は低く発行部数も少ない為、現存する本がほとんど無く、 現在の巨匠作家の貸本時代の作品にはとても高いプレミアが付いています。
ごまメモ
水木しげるの『妖奇伝』 は、上下2巻揃いで数十万円の価値がありますが、もし非貸本のものが出てきたら100万円以上の値が付くといわれています。
『ゲゲゲの鬼太郎』の原型でもある『墓場鬼太郎』も、貸本専用書籍として誕生しました。
付録漫画
昭和30年代、各月刊誌には毎月何冊も「別冊付録」が付いていました。
付録というだけに、ほとんどは安っぽい外見のものがほとんどで、当時読み捨てられてしまったものが多く、現在では貴重な存在となったものがたくさんあります。
手塚治虫の『鉄腕アトム』が多くのエピソードが雑誌付録で描かれていたり、 横山光輝の『鉄人28号』は第1回が付録で登場しています。
付録といえど質は高いものが多く、付録の方が本誌よりもずっと価値のあるものもあります。
藤子不二雄は付録漫画全盛期に人気が出始めた為、数多くのヒット作が付録漫画で生まれています。
ごまメモ
『三人きょうだいとにんげん砲弾』『バラとゆびわ』『ユリシーズ』などに特に高額な値段が付いています。
漫画雑誌
単行本よりも値段が付くことのある「漫画雑誌」。
特に昭和20年代~昭和30年代前半、中でも、手塚治虫・横山光輝・藤子不二雄などの人気作家が載っているものは高いプレミアが付いています。
雑誌にプレミアが付く理由
- 雑誌でしか読むことのできない単行本未収録の作品がある。
- 単行本化されているものでもカラー頁は初出の雑誌でしか見ることが出来ない。
- 雑誌連載時とコミックスではコマの順序や流れが変わっている場合がある。
- 単行本収録時に大幅に描き変えられたものもあり、純粋なオリジナルという点では雑誌でしか見ることが出来ないものが多い。
特にコレクターやマニアの方はオリジナルという点にかなりこだわりを持っていると思いますので、その作品の「原点」という意味でも貴重度が増しているのかもしれません。
また、単行本と比べて保管に場所を取るので、取っておく人が少ない為に、現存している漫画雑誌は非常に稀少性が高くなっております。
中でも、単行本未収録の作品に関しては、掲載雑誌でしかその作品を読むことが出来ない為、比較的最近のものでも、単行本未収録の人気作品が掲載されている雑誌にはそれなりの値が付きます。
当時の広告やおまけの読物にも、歴史や雰囲気を感じることが出来るのも雑誌の魅力のひとつですね。
戦前漫画
もともと戦前の漫画は高価で、とても普通のサラリーマンの月収で買えるものではありませんでした。
当時の漫画は、箱入りと装丁も豪華で、中身は2色や4色のカラー刷りの立派な印刷でした。
(当時の価格で1円~2円するものがほとんど。現在価格で1万円前後??)
それゆえ、発行部数も少なく、現在残っているものも少ないのです。
人気作家として謝花凡太郎・大城のぼる・新関青花などがいますが、 箱入りで状態の良いものは1冊10万円以上するそうです。他にも中島菊夫・坂本牙城・渡辺太刀雄などが人気です。
版元では、中村書店・金の星社・講談社などがあります。