峯岸ひろみの『妹のぶんまで走れ!』です。
ビニカバ付初版です。
モノ自体滅多に出てこない上、たまに出てきても状態のかなり悪いものばかりなので、比較的悪くない状態でGETできてラッキーでした。
以前ご紹介した『愛のひみつ』や『霧のなかの少女』と並んで、マーガレットコミックスの中では特に入手困難なレアタイトルです。
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妹のぶんまで走れ! あらすじ
剛は中学に入ったらマラソン選手になりたいと思っていましたが、体育の授業ではいつもビリでいじめっ子にからかわれていました。
妹のゆきえは明るく人気者で、兄の剛をからかういじめっ子達にいつも立ち向かっていました。
落ち込む剛にゆきえは喝を入れて、マラソン選手になる為に毎日練習する約束をします。
ふたりは、家まで走って帰ろうとしていましたが、途中で国道を通った際、ゆきえがトラックに轢かれて事故に遭ってしまいます。
剛は自分が国道を通ろうと言ったせいだと自分を責めます。
事故により、ゆきえは片足を失ってしまいましたが、最初はそのことを知らずに明るく過ごしていました。
しかし、片足がなくなっていることを知ったゆきえは激しくショックを受け、自分の殻に閉じこもってしまいます。
なんとかゆきえを元気づけたいと思っていた剛でしたが、何もできませんでした。
剛の同級生の麻里は、ゆきえが入院している病院の娘で事情を知っていたので、ふたりに協力します。
麻里のおかげで少しづつ元気になってきたゆきえでしたが、剛がいつも暗い顔をしているのが嫌でした。
そのことを知らない剛に、麻里はさりげなくゆきえの本心を伝え、それを知った剛はゆきえの前でマラソンの練習を再開し、明るくなった剛を見てゆきえに笑顔が戻ります。
ついにゆきえの退院の日になりました。
しかし、医師が勧めた義足にゆきえは激しく拒絶感を示し、義足は付けたくないと泣き出してしまいます。
麻里と剛のおかげでとりあえず義足を付けることにしたゆきえでしたが、その足で歩こうとはしませんでした。
ある日、お母さんが目の前で倒れてしまい、ゆきえは無我夢中でお医者さんを呼びに行こうとし、はじめて義足で歩き出します。
歩けるようになったゆきえは学校に行くことになり、クラスメイトは学校へ来たゆきえをあたたかく迎えてくれました。
しかし、いじめっ子達に足のことをからかわれたゆきえは、学校へ行きたくないと言い出します。
剛はゆきえに、クラスメイトが優しかったこと・ゆきえは悪くないこと・いじめをする奴がかわいそうだということを話してゆきえを慰めます。
その光景を見ていた麻里は、ふたりの兄妹の絆を作文に書き、その作文は先生によりクラスで発表されました。
作文を聞いたいじめっ子達は改心して剛に謝り、剛も泣きながら許します。
その後のマラソンの時間では、以前よりずっと速く走る剛の姿がありました。
妹のゆきえのことを想いながら・・・。
『峯岸ひろみ』はBL小説家の『神崎春子』と同一人物
峯岸ひろみ とは
峯岸ひろみは、水野英子にあこがれ漫画を描くようになり、1965年に「週刊マーガレット」にて『ロンダの微笑』でデビューしました。
主に、「ヒロ書房」や「第一プロ」などの貸本出版社で多く執筆していました。
その後、正統派少女漫画家からBL小説家に転身し「さぶ」で小説家デビューしています。
峯岸ひろみの別名義
BL小説家で有名な神崎春子は、峯岸ひろみの別ペンネームで同一人物です。
『神崎春子』は主に女性向け小説の際に使用していたペンネームで、男性向け小説では『峯岸郁夫』名義で作品を発表しています。
その他、『葵奈々』『海城彬』『峰岸知世』『峯岸汪未』『峯岸汪美』など多数のペンネームを使い分けています。
1999年以降は『神崎竜乙』に改名し、現在も同人誌などで活動しています。
妹のぶんまで走れ! 収録詳細
読み切り作品で週刊マーガレットの1967年15号に掲載されました。
単行本は、マーガレットコミックスで1969年1月20日に初版が刊行されました。
同時収録は『せめて夏まで生きたい!』『おねえさんの胸にこの白いバラを』『春がささやく!』の3作品です。