美内すずえ 青いトンネル【単行本未収録作品】

美内すずえの単行本未収録作品『青いトンネル』です。

出典:美内すずえ「青いトンネル」(『週刊マーガレット』13号/1972.3/pp.128-129)

ついにGETしましたぁ~!

これで美内すずえ作品完全制覇ですっ!!

ごま
わーい

 

掲載誌は「週刊マーガレット」の1972年13号(3月26日号)です。

 

色々調べても全く詳細が分からなかった為、長らく内容不明の幻の作品でしたが、やっと読むことが出来ました。

話の雰囲気的にはちょっと『パンドラの秘密』と似てるかも。

青いトンネル あらすじ

舞台は南米のパチャンタの谷間。

主人公のキャシーは、考古学者である父親のエドワードと共にパチャンタで暮らしていましたが、エドワードは毒蛇にかまれて死んでしまいます。

葬式の為にやってきた親戚達は、エドワードのことをバカにしてキャシーにも冷たく当たります。

 

その夜、寝ていたキャシーは父の部屋からの物音がするのに気が付きます。

そこにはパチャンタ人のババンダがいて「青いトンネル」に関する何かを探していました。

親戚達はババンダを泥棒扱いし、尋問します。

その後、親戚達は急にキャシーに親切に接するようになりキャシーは不審に思います。

 

ババンダが言うには、父のエドワードは死ぬ間際に「”神の道”を見つけた。キャシーが知ってる青いトンネル・・・」という遺言を遺していた為、手がかりを探す為にエドワードの部屋を詮索していたとのこと。

 

親戚達はやたらと協力的で、エドワードの遺志を継いで遺跡の発掘をしようと申し出ます。

目的の遺跡である「青いトンネル」はなかなか見つかりません。

そんな時、親戚達は地下墓地の存在を知りますが、パチャンタ人は神のたたりがあると言って侵入を阻止しようとします。

しかし、親戚達は無理矢理いけにえの台をずらし地下墓地へと入っていきます。

中には壁画があり、それは青い絵の具で描かれていた為、ここが青いトンネルだと確信した親戚達は調べる為に墓地を荒らしはじめました。

 

ババンダは、宝物は欲しいけどたたりのほうが怖いと言って親戚達を必死に止めます。

親戚達の真の目的が宝物だったと知り逃げようとするキャシー。

親戚達も本性を現します。

 

ババンダが呼び集めたパチャンタ人により親戚達は追い詰められますが、キャシーを人質にとり宝の発掘を続けようとします。

エドワードに恩があるパチャンタ人達は、恩人の娘であるキャシーを守る為に親戚達に手を出すことができませんでした。

 

親戚達は地下墓地の中で宝物を探し続けますが、食糧や水不足がくる疲労や、宝に目が眩んで膨らんでいく欲望のせいで、だんだんと正気を失っていきます。

外ではパチャンタ人が食べ物のにおいで親戚達をおびき寄せようとしますが、外に出ようとした一人を狂った親戚の一人が殺してしまい、本人も死んでしまいます。

 

外では大雨が降りはじめ、河の水が氾濫した為にパチャンタ人はみんなそっちへ向かいます。

残った親戚の一人は雨で水分が摂れる上、パチャンタ人もいない為よろこび外に出ますが、その後も宝物を探し続けます。

 

親戚が休んでいる隙にキャシーは地下墓地から抜け出します。

追って来た親戚から隠れる為にキャシーは近くのほら穴に入りますが、そこはキャシーが小さい頃に見つけたほら穴で、青い苔が生えていました。

崩れた岩を触ると空洞が現れ、なかには道がありました。

そして青い苔が光っていました。

キャシーはここがエドワードの言っていた「青いトンネル」だということに気が付き、奥へと進みます。

奥には巨大はパチャンタの神の像があり、神の手は別のトンネルを指さしていました。

出典:美内すずえ「青いトンネル」(『週刊マーガレット』13号/1972.3/p.160)

キャシーはエドワードの言っていた宝の本当の意味に気付きます。

 

そこにパチャンタ人の子供が洪水を知らせに来ます。

キャシーは宝の意味を信じて、パチャンタ人を全員ほら穴の前に集めます。

宝とは、水害からパチャンタ人を守る為の道を示す石像のことだったのです。

キャシーは親戚も助けようとして一緒に逃げようとしますが、気が狂ってしまった親戚は、石像を純金の像だと錯覚し、像にしがみついたまま溺れてしまいました。

 

神の道を通って逃げたパチャンタ人とキャシーは、無事に生き延び、古代の人達も大洪水があった時に同じ道で助かったことを知ります。

そして新しい世界へと導いてくれた青いトンネルに感謝するのでした・・・。

まとめ

念願叶ってずっと読みたかった『青いトンネル』が読めて嬉しいです。

ただ、もう一つの単行本未収録『忍者屋敷に春がきた』もそうだったけど、なぜ未収録なんでしょうか?!

しいて言えば、悪い親戚達の狂いっぷりがヤバめ?

または、パチャンタ人がアウト??

どちらも発禁レベルのものでは無いと思いますが・・・。

ごま
なんで?

 

美内すずえの入手難関作品は、上記の未収録の2作品の他に、単行本化されているけど未復刊作品である『パンドラ秘密』が有名なんですけど、ごまの中では『はるかなる風と光』(全3巻)のマーガレットコミックス版がダントツ1位です。

一度だけボロボロの3巻セットを見たことはありますが、並以上の状態のMC版3巻セットは今まで出会ったことがありません。

パンドラの秘密よりはるかに流通量が少ないような気がするのは気のせいでしょうか・・・。

 

とりあえず美内作品の全作品読破は達成したので、次はオリジナルで全作品揃えるのを目標にしていきたいと思います!

ごま
今は半分位が文庫なの

  • B!

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