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手塚治虫 泥だらけの行進【ライオンブックス 単行本未収録作品】

手塚作品には様々な理由で単行本未収録の作品があります。

その中でも、今後も再収録の可能性が極めて低いタイトルといえば、表現上・倫理上の問題がある『妖怪探偵団』『快楽の座』『長い窖』、そして『泥だらけの行進』が挙げられます。

 

今回紹介するのは、特に再収録の難しそうな『泥だらけの行進』です。

ごま
掲載誌は当然プレミア価格

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泥だらけの行進はライオンブックス唯一の未収録作品

泥だらけの行進』は、「週刊少年ジャンプ」1972年(昭和47年)8月14日号にライオンブックスの内の一つとして掲載されました。

 

貴重な手塚治虫の未収録作品掲載だけあって、掲載号は「週刊少年ジャンプ」の中では創刊号に次ぐプレミアが付いています。

泥だらけの行進-ジャンプ表紙

泥だらけの行進-タイトル

ごま
掲載誌GETしたよ

 

ごまメモ

メインタイトルは ”泥だらけの行進” ですが、ジャンプの表紙・目次・欄外のタイトルはなぜか ”どろまみれの行進” になっています。

泥だらけの行進-表紙

泥だらけの行進-目次

泥だらけの行進-欄外1

泥だらけの行進-欄外2

ライオンブックス(LION BOOKS)とは?

手塚治虫により集英社から発表された一連の短編作品群(オムニバス)です。

1956年から1957年にかけ、集英社の月刊「おもしろブック」の付録冊子として発行されたものと、1971年から1973年にかけて同じ集英社の「週刊少年ジャンプ」に掲載されたものの2種類が存在しています。

 

当時としてはかなり先進的なSF要素を取り入れた意欲作でした。

しかし、まだSFという用語すら定着していなかったことと、科学技術によってもたらされる負の側面や人類への警鐘などを含めた高尚な内容だった為、あまり人気が出ず途中からSF色の薄い作品も描かれるようになりました。

最終的には全12話で打ち切りとなってしまいましたが、のちのSFに与えた影響は大きく、多くのSF作家がライオンブックスから影響を受けたことを公言しています。

 

1971年に、月1回のペースで「週刊少年ジャンプ」に掲載が再開されました。

泥だらけの行進-ライオンブックス

 

ライオンブックス全話を網羅した単行本は存在しません。

ライオンブックスで唯一、どの単行本にも未収録となっているのが『泥だらけの行進』です。

ごまメモ

『双生児殺人事件』は代筆部分が多かったため長らく再録されませんでしたが、2008年発行の復刻名作漫画シリーズにて初収録されました。

泥だらけの行進が未収録の理由

読めば一発で納得できるのですが、オチも含めて隅々まで差別用語や表現のフルコースで、ストッパー・オブラート皆無の突き抜けぶりです。

泥だらけの行進-差別用語1

泥だらけの行進-差別用語2

泥だらけの行進-差別用語3

泥だらけの行進-差別用語4

 

むしろわざと問題作品になることを狙ったのか?と思うほどの激しさです。

でもさすが漫画の神様、そんな中にも何か突き刺さるメッセージみたいなものは確かに感じます。

 

内容や独特のコマ割りなどから、すでに大御所だったにも関わらず手塚先生が常に挑戦を続けていたことが伝わってきます。

泥だらけの行進 あらすじ

ある小学校で給食のパンを食べた生徒たちの目・耳・脳が不自由になってしまう事件がおきました。

警視庁捜査二課の刑事と名乗る東は、この事件の真相を突き止めるべく現地に赴きます。

泥だらけの行進-1

 

教頭の岡本の話だと、原因はパン工場ではなく、途中で何者かが毒を混ぜたためだといいます。

泥だらけの行進-2

 

東は、この病気に感染したことがある少年が母親と住む家に泊まり込んで捜査を開始しますが、手がかりをつかんだ東は「ふくろう党」という犯罪組織に狙われていて捕まってしまいます。

 

「ふくろう党」は食糧危機を防ぐために人類淘汰を目論む組織であり、小学校の子供たちが病気になったのは「ふくろう党」が開発した毒薬の実験でした。

泥だらけの行進-3

 

何とか逃げ出すことができた東でしたが、東の泊まっていた家の少年と母親は実は「ふくろう党」のメンバーで、親子のふりをして東の動きを探っていたのでした。

泥だらけの行進-4

 

しかし、東が大暴れした為「ふくろう党」は壊滅。

 

新聞記者に囲まれた東は「ぼくは・・・天国から派遣された刑事なんです」と語ります。

泥だらけの行進-5

そこに医者が現れ、東は病院から脱走した誇大妄想症の患者だと告げます。

泥だらけの行進-6

 

東は医者に連れ去られ、抵抗しながら「なんでぼくが狂っているんだ!ぼくは正義の味方なんだ。正義の味方!!」と叫びます。

泥だらけの行進-ラストシーン

 

実は、彼は精神病院から逃げ出した誇大妄想狂の患者だったのです・・・。

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まだある! 手塚治虫 幻の作品

手塚治虫作品は、全集としてB6版や文庫版などが刊行され、かつての未収録作品もちらほら収録されるようにはなってきてはいますが、『泥だらけの行進』を含めまだまだ未収録の作品があり、全作品を網羅した本当の全集に出会える日は遠そうです。

 

中には、未収録どころか未発表の幻の作品もあります。

 

例えば、長すぎると出版社に断られて削られた『来るべき世界』の没ページや、完成原稿を紛失してしまったという『宇宙狂想曲』の未発表部分など。

 

そして究極の幻作品といえば、手塚治虫自作の作品リストに記載があるものの、単行本が出版されたかすら確認がされていない『モモーン山の嵐』です。

ごまメモ

自作リスト「手塚治虫作品総目録」には ”1947年 有文堂より発行” と掲載されています。また、ファンとのやりとりのハガキには "「モモン山嵐」は友文堂から発行し、現在品切れになって絶版しています” との表記があります。

手塚先生本人の日記にも「出版社に原稿を届けた」と出てくるのに、実際は本が1冊も発見されていないし、誰も見たことがないという幻中の幻の作品です。

 

1枚だけ原画が現存しているので、作品自体は確実に存在していたようですが・・・。

ごま
原画は「手塚治虫 創作ノートと初期作品集」に収録されています

 

もし発見されたらとんでもないプレミアが付くこと間違いなしです!

 

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